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レベルアンカレッジシステム

Medical

レベルアンカレッジシステム

歯の表側から矯正する方法

一般的な矯正方法で、歯の表側にマルチブラケット装置を接着しワイヤーで歯を並べていきます。ラビアル矯正とも言われます。

当院ではレベルアンカレッジシステムという矯正治療システムと、歯科用CTを融合させて治療を行っています。

レベルアンカレッジシステムは、Dr.RootとDr.Sagehornによって1979年に開発された「診断と治療手順が融合し、理想的な治療結果を達成する矯正治療システム」です。
Dr.Rootは南カリフォルニア大学歯学部の臨床教授であり、矯正治療法の講習会で有名なTweedコースの会長兼インストラクターでもありました。

このシステムの特徴は、矯正装置の開発と矯正治療における一番難しいとされている個々の歯の移動をシステム化していることです。これにより、個々の歯の移動を予測できるようになり治療前に治療結果を予測できるようになりました。

レベルアンカレッジシステムでは、治療を始める前に具体的な目標(患者さんの現状からみて治療可能な最良の目標)を設定し、その治療目標を達成するためのしっかりとした治療手順を決定しますので、安定した結果を得ることが可能になり下記を改善していきます。

1.
機能(function)
正しい顎の運動
2.
安定(stability)
安定した治療結果
3.
審美(esthetics)
素晴らしい笑顔

また、歯科用CTを用いることにより、歯槽骨と歯根の形態を確認し、無理のない治療を行っています。

 

【歯の表からレベルアンカレッジシステムの治療についてご説明します】

口唇が突出した出っ歯の矯正治療を想定し、7つのステップで治療を行います。

この7つのステップを進めていくことにより、非常に良い結果が得られます。

 

・ステップ1

 Step1−Before

まず、上顎のデコボコを改善します。その際、最終的には上顎の前歯を奥に引っ込めますが、ま だデコボコであっても、歯を抜くことはしません。これにより、抜かない状態での上顎の歯の基準を作ります

上顎の歯の抜歯はステップ5で行います。

ステップ1ではワイヤーは3〜4回変更します。
ステップ1が終了すると上顎のデコボコが改善します。その時に、上顎前歯が前に出るのではなく後ろの歯が少し後方に移動します。前歯が前方に出ることもありますが、そのときはステップ6で改善します。
これで下顎の治療をする基準ができました。

Step1−After

歯を抜く必要がある場合は抜歯に行って頂きます。

 

・ステップ2

Step2−Before

ステップ1により上顎の基準ができましたので、次は下顎の奥歯の改善を行います。
大抵の場合、下顎の奥歯は少し前に倒れています。そのため、これらの歯を少し起こす必要があります

起こす方法としては、口の中にゴムを使います。そのゴムの強さにより下顎の奥歯が少し後方に起き上がってきます。

Step2−During

このステップは非常に重要になります。ゴムを使う反作用として上顎前歯は前に出ようとします。これを防ぐためにヘッドギアーを上顎に使い、ゴムの反作用をなくします。

しかし1日中ヘッドギアーは使うことはできません。ヘッドギアーを使っている時は、少し強めのゴム、ヘッドギアーを使えない時は、力の弱いゴムを使います。

 ヘッドギアーを使っていない時もゴムを使いますがたとえ弱くても反作用を防ぐために、上顎第1大臼歯の口蓋側にパラタルバーを装着します。

パラタルバーは舌に少し触れますが、嚥下のたびに舌が押す力を利用するため、最初少し違和感がありますが、必ず慣れますのでご安心ください。

 ステップ2では下顎前歯に装置は付けません。なぜなら、この時点で前歯に装置を付けますと歯が並ぼうとして、下顎のデコボコ分だけ前歯が前に出てしまって下顎は少し出っ歯になってしまいます。これを防ぐためにステップ2では下顎前歯に装置を付けません。

下顎の奥歯が十分起き上がるまでワイヤーは3~4回変更します。

奥歯が起き上がりますとステップ3に移行します。

Step2ーAfter

 

・ステップ3

ステップ3は下顎の犬歯を後ろに移動させます。そのため、下顎の犬歯から犬歯までの間にバネを入れます。

Step3-Before

このバネの力で下顎犬歯は後ろに移動し始めます。1ヶ月約1〜1.5ミリずつ後ろに移動していきます。

Step3-After

犬歯は1ヶ月1〜1.5ミリずつ後ろに動くので抜歯スペースを測れば、ステップ3にどれくらいの期間が必要かが予測できます。

 

・ステップ4

Step4−Before

ステップ3でバネを入れることにより、下顎犬歯は抜歯スペースの方へ移動し、それに引っ張られて下顎前歯4本は装置を付けていなくても少し後ろに動き、前歯部は前に出ることなく、前歯にスペースができ、叢生もいつの間にか改善してきております。
このステップ4の段階で4前歯に装置を装着します。

Step4−After

ワイヤーを前歯部にも通し、叢生の改善と4前歯にできたスペースを閉鎖します。
このステップには4〜5ヶ月かかります。

下顎前歯をできるだけ引っ込めるために口の中に再びゴムを使う場合があります。その場合、ステップ2で使ったヘッドギアーを再度使用します。

 

ステップ5

この時点で上顎の歯を抜歯していただきます。これがステップ5です。
上顎の歯に叢生があればこのステップで改善しておきます。
抜歯が終われば速やかにステップ6に移行します。

 

ステップ6

上顎の歯の抜歯が終わればいよいよ上顎の出っ歯を治す段階になりました。

Step6−Before

 

その際、口の中にバネを使います。ステップ3のバネとは異なる種類のバネで、上顎前歯6本を後ろに動かし、抜歯スペースを閉じるためのバネです。さらにゴムも使用します。場合によってはステップ2とは異なる種類のヘッドギアーを使うこともあります。これにより、1ヶ月約1ミリずつ上顎前歯は後ろに引っ込んでいきます。
6ヶ月ほど経つとかなり、上顎前歯は引っ込み、歯が後方に移動してきたのが分かると思います。
上顎前歯が後ろに引っ込むことにより出っ歯は治り、口唇の突出感は消失し、非常に良いプロファイルが得られます。
ステップ1〜5はすべてステップ6をするための準備だったのです。

ヘッドギアーを使いたくない患者様にはヘッドギアーの代わりに、矯正用インプラントスクリューを使うことがります。もちろん希望者だけで、同意のもとで使います。無理に使うことはありません。

Step6−After

そして抜歯スペースが完全に閉じるまで調整を続けステップ6が終了します。

 

ステップ7

 

いよいよ仕上げの段階に入ります。ステップ7で細かい修正を行います。
その際、また別の種類のゴムを使います。これにより緊密な上下のかみ合わせが完成します。
ステップ1〜7までの治療期間は患者様の不正咬合の状態によって異なります。2年半から3年かかることが多いです。
その場合、口の中にゴムを使ったり、ヘッドギアーを使ったりしますがこれらの使用により治療がスムーズに行き、結果も良くなります。十分なご協力をお願いします。
ヘッドギアーの代わりに矯正用インプラントスクリューを使うことにより、期間を短縮することもできます。

今回のステップは上下の歯の抜歯ステップです。

抜歯しないで行うステップもあります。

詳しくは担当者にお聞きください。